2021年11月 OpenMP 5.2仕様リリース記事 OpenMP ARB Releases OpenMP 5.2 with Improvements and Refinements より抄訳。
OpenMP仕様バージョン5.2はOpenMP ARB、主要なコンピュータハードウェア/ソフトウェアベンダのグループ、そしてOpenMPコミュニティのユーザによって共同開発されました。改訂仕様は下記の主要な機能追加を含みます:
- 非構造化データオフロード利用の簡略化。
target enter data
(target exit data
)におけるmap
指示節のデフォルトマップ型は、to
(from
)におけるマップ型と同じ振舞いを提供します。 - ユーザ定義マッパーサポートの拡張。
declare mapper
ディレクティブが追加の修飾句を受け付けるよう拡張されました。 - メモリアロケータの改善。Fortran側で確保した変数に対してOpenMPアロケータ利用をサポートするために
allocators
コンストラクトとallocate
ディレクティブの実行可能形式が追加され、dispatch
コンストラクトが追加のend
ディレクティブをとるよう拡張されました。 - FortranのPUREプロシージャ利用の改善。PUREプロシージャ*1で許可されるディレクティブが、最適化ヒント(assumption)ディレクティブ、
nothing
とerror
ディレクティブ、メタディレクティブ、ループ変形コンストラクトを含むよう拡張されました。 - スコープコンストラクト利用の改善。
scope
コンストラクトにおいてallocate
およびfirstprivate
指示節が許可されます。 - リニア指示節*2の一貫性向上。他の指示節と一致するよう
linear
指示節が改訂されました。 - OpenMPディレクティブ構文の改良。より簡潔で一貫性のある構造になります。*3
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